何かを始めようとする時、どれくらいの時間がかかりますか?
また、どれくらいの準備をしますか?
多くのビジネス書や自己啓発本には、何かの「目的」を持って成果を出す為には「計画」・「準備」が重要と書かれている。
しかし、「計画」や「準備」に時間をかけすぎると「実行」が遅れてしまう。
実行が遅れるどころか、「計画」や「準備」の中で懸念材料が見つかれば見つかるほど、モチベーションが下がったり、リスクを恐れて実行しないという判断に陥ることもあるだろう。
「PDCAサイクル」というフレームワークが、ロジカルシンキングを語る上では有名だが、「DoPDCA」という考え方の方が、自分自身しっくりきたので、自分の経験とともに紹介したい。
1.DoPDCAとは?
2.DoPDCAの実践
3.おわりに
1.DoPDCAとは?
まず、おさらいとしてPDCAについて軽く触れたい。
PDCAサイクルとは、Plan(計画)-Do(実行)-Check(評価)-Act(改善) をサイクルとして繰り返すことによって生産・業務・品質などの管理を継続的に改善していく手法のことである。現在では、ビジネスやスポーツ、日常など様々なシーンで活用されている。
Plan
解決したいこと、やってみたいことの目標を設定し、情報収集して計画を作成する
Do
計画を少しずつ試しながら実行する
Check
計画に沿って実行できたかどうか、目標への進捗、達成への実現性を評価する
Action
Checkで、評価・検討した改善点を実行する
PDCAのメリットは、目標や計画が明確になることで、実行(行動)に集中ができ、実行の検証において浮上した課題や不足を改善プランとして検討し、再度実行して、生産性や効率が向上していくことにある。
しかしながら、PDCAもやり方によっては、成果につながらないことも多い。
PDCAの中で一番重要と言ってもいいのが、P(計画)である。
成果につながらないPの例
- 完璧で緻密な計画をたてようとして、時間や労力がかかる実行が遅れる。
- 目標が数値化されていない。計画が具体的で詳細ではない。
- 現状把握・分析がされていない。
- 仮説をたてていない又は不十分。
- 目標を達成する為の計画がイメージできない。
この失敗要因を克服するのが、DoPDCAという考え方である。
PDCAのD(実行)と重複するようだが、この最初のDoの意味合いは違う。
Pの後のDoは、目的達成の為のDoであるが、Pの前のDoは、計画の為のDoである。
重要なのは、Pの精度を高めること。まずは最低限の準備で実行してみることで、そのチャレンジの中にある景色や様子を体験できることにある。
その体験で得る成功・失敗を基にPをすることで、PDCA全体の質があがっていく。
テストや評価など減点方式の教育で育った多くの日本人には、完璧主義者で失敗やリスクは避けるべきという根強い考え方が浸透している。
もちろん誰だって、好んで失敗はしたくないはずであるが、失敗やリスクを恐れるがあまり行動ができなければ、何も変化を生むことができないのも問題だ。
このDoPDCAという考え方でいう、最初のDoは、ある意味、課題発掘や失敗を前提においた実行である為、成功へのプレッシャーを感じる必要はない。むしろ、失敗するほど、Pの精度が高まるという考えを持てば、失敗をポジティブに受け止めることができるのである。
またビジネスにおいては、他人の実行が大きく影響することがほとんどの為、他人の行動力を考慮してPの精度を高める必要がある。
例えば、マーケティングが、非の打ち所がない新製品販売戦略の計画を立てたとしても、実行者である営業が賛同して行動してくれなければ、成功には繋がらない。
私がこのDoPDCAというフレームワークを知ったのは、ハック大学ぺそさんのYoutubeだった。さらに詳細を知りたい興味がある読者の方は、ぜひこの動画も見て欲しい。
チャンネル登録者23万人(2021年5月時点)を越える、ビジネス系人気Youtuberの一人。「行動が結果を変える ハック大学式 最強の仕事術 」という本の著者でもあり、私自身も購入し、日々の仕事やプライベートの考え方の面で、すごく参考になったので読んだ後、社内でも共有している。
2.DoPDCAの実践
DoPDCAのメリットは、上記の通り、Pの精度を高めることができるということである。
デメリットをあえてあげるとすると、Pの前で実行をするわけなので、本格的な実行までに時間を要するということ。一見、遠回りのようにも感じるが、実際に実践してきた感覚では、スピード感が遅くなったという事実はほとんどない。一度、チャレンジして経験を積んでいる為、本格的な実行にもスムーズに入ることが出来る。また、Pの精度が高まることによって、本格的な実行の精度も高まり、成果につながる方が多くなった。
ウッディの経験談を1つ紹介したい。
以前に営業約60名いる会社で営業をやっていたのだが、ある日、マーケティングに異動の辞令があった。当時、私はセールスリーダーで、その後はセールスマネージャーを志望していたので、「何故、私がマーケティングに?」と率直に私に辞令をだした当時のマネージャーに聞いてみた。
回答は、「○○さんの営業スタイルは、派手さはないが、皆がお手本として真似るべき手法をとっている。会社の戦略をしっかりと実行して、さらに自分なりの工夫を取り入れ成果を出しているからだよ。それをマーケティングに行って、営業に波及させて欲しい」と言われたのはよく覚えている。
確かに私は営業として、年間成績でNo.1になった経験はなかったが、しっかり成果をだしてきた自負があった。当時から、スピード感は大事にしていた。新製品や新サービスのローンチではファーストオーダーを狙い、達成したことも多い。
あれこれ考えずにまずはやってみるということを実践していた結果だろうと思う。
ただ当時は、マーケティングが戦略(P)をたてたものをDo(実行)するだけでも成果に繋げることができていたので、特に大変ではなかった。
本当に大変だったのは、マーケティングに異動してからである。
マーケティングではプロダクトマネージャーを任されていた。
プロマネとしての最初の仕事は、新製品ローンチだった。
「自分が率先してPを作らなければいけない」
「下手なPであれば、営業組織(仲間)から何を言われるかわからない」
「しっかりとした計画を作らねば」
と躍起になっていた。情報収集と計画に時間が取られ、何日も徹夜したこともあった。
上長と苦労して仕上げたビジネスケースを各部門長にプレゼンし、承認を得る必要があった。あれやこれや指摘され、散々だった。。。。
自分の営業経験や顧客目線で考えたプランだったが、MBAホルダーが多い、部門長からは厳しい指摘ばかりだった。正直、自信を失いかけたが、「絶対、彼らに認めてもらう!」と意気込み、何度も何度もプレゼンを繰り返した。
その時学んだことは、完璧なプランなど初めから作ることはできないのだから、双方にあるGapを確認するためにもラフな状態で進めることが重要であるということだった。
そしてようやく、仕上がったビジネスケースを基に作った新製品販売戦略を営業へお披露目した。戦略の評価は良かった。しかし、60数名いた営業のうち、戦略通りに実践してくれたのは、たったの2割程度であった。
これは、戦略の問題なのか、営業のマインドや行動力の問題なのか、困惑した。
しかし、戦略通り実践した営業の群と自分のスタイルで新製品に取り組んだ営業の群では、明らかに前者の方が短期に成果を出していた。
営業の時は、個人やチームの成績くらいにしか視野が行き届かなかったが、マーケティングになってから、視野は一気にひろがり、PDCAの重要度、難解度も格段にあがった。
正直未経験で大変では、あったが私の人生観とキャリアを大きく変えた異動であったのは言うまでもない。あの時、私に辞令をだした○○さんには感謝している。
今は、以前と比較すると小さな組織で働いている為、自身もプレイヤーとなり実践できる機会がある。部下に指示を出す前に、まずは自身がDo(テスト)して成功、失敗体験を積むことで、Pの説得力が増すのは明らかな為、DoPDCAを意識して実践している。
3.おわりに
現在の会社では、DoPDCAという考え方を浸透させようと、自身の体験なども踏まえ、会議や日常の会話でも、言葉にしてアウトプットしている。
失敗も恐れることが少なくなった。失敗の先に成功があると信じているからだ。
Covid-19の影響で、「おうち時間」というものが増えたこともあり、プライベートでもDoPDCAを実践することが多くなった。
・ブログ開設
・Youtubeチャンネル開設
・ファスティングダイエット
・毎朝早朝ランニング
・DIY
・読書
もともと粘り強い性格というものもあるが、上記は最低でも半年以上継続できている。但し、ブログは2021年5月に始めたばかりの為、現在、Pの前のDoの状態である。
これからも、「行動重視」の考え方でアウトプットを大事に、人生を豊かにしていきたい。
まとまりのない記事を最後まで読んでいただいた読者の方に心から感謝します。
1人でも多くの方が、ポジティブに何かにチャレンジすることを願っています。